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食物アレルゲン検査

食物アレルギーとは、食物を食べた際に、かゆみ、蕁麻疹、喘息等の症状が出ることで、場合によっては死に至ることもあります。原因は食物に含まれるタンパク質に自己の免疫が過剰に反応するためであり、現在のところ有効な治療法は無く、原因となるアレルギー物質を含む食品を摂らないことで防止しています。
しかし、食物アレルギーの患者にとって、必要以上に選択の幅を狭めてしまわないように配慮する必要もあります。

これらの背景から、食物アレルゲンの正確な情報提供を目的として、平成 13 年に「特定原材料」7 品目の表示が内閣府令で義務付けられました。また、「特定原材料に準ずるもの」21 品目は消費者庁通知で表示が推奨されています。
当団体では、「アレルギー物質を含む食品の検査方法について」(平成 22 年 9 月 10 日消食表第 286 号) に従い、食品中の特定原材料の検査を行っております。

食物アレルゲン検査 (Q&A)

Q1. 食物アレルゲン検査はどのような種類がありますか ?

A.
当団体の食物アレルゲン検査メニューは以下の通りです。

通知法

ELISA 法 (2 キット)

卵、乳、小麦、そば、落花生、

甲殻類 (えび・かに)

ウエスタンブロット法

卵、乳

PCR 法

小麦、そば、落花生、えび、かに

簡易試験

イムノクロマト法

卵、乳、小麦、そば、落花生、甲殻類

ELISA 法 (1 キット)

卵、乳、小麦、そば、落花生、

甲殻類 (えび・かに)

 

Q2. 通知法で検査した場合の流れはどのようになりますか ?

A.
まず、ELISA 法 (2 キット) でスクリーニング検査を行います。スクリーニング検査で陽性だった場合は、製造記録などの確認を行い、確認試験の必要性を判断します。確認試験が必要となったアレルゲンについて、ウエスタンブロット法または PCR 法で確認試験を行います。

スクリーニング検査
・ ELISA 法 (2 キット)
スクリーニング結果 ... 「陽性」
確認試験の必要性を判断
確認試 ... 「必要」
確認試験
・ウエスタンブロット法
・ PCR 法

Q3. 検査方法はどのように選択したら良いですか ?

A.
各検査方法の特性を考慮した上で目的や用途に応じて選択してください。製品のアレルギー表示の妥当性を確認する場合は通知法で実施されることをお勧めします。
中間製品の抜き取り検査や製造ラインの拭き取り検査等は簡易試験で行うこともできます。

 

Q4. 各検査方法の特性を教えてください。

A.
ELISA 法は抗原抗体反応を利用してタンパク質を検出する定量検査です。ELISA 法で使用する検査キットは複数種類あり、キットによって対象とするタンパク質や擬陽性を示す食品が異なるため、通知法には 2 種のキットを使用して検査する方法が記載されています。1 種のキットでの検査も受託しておりますが、2 種のキットからご選択いただくようになります。

ウエスタンブロット法と PCR 法は定性検査です。ウエスタンブロット法はタンパク質を対象とし、PCR 法は遺伝子を対象としています。どちらも特異性の高い検査方法です。

イムノクロマト法も定性検査です。簡便に短時間で結果が出るため、自主検査や拭き取り検査で使われることの多い検査方法です。

Q5. 検査で陰性、または検出されなかった場合は、アレルギーを引き起こすことはありませんか ?

A.
食物アレルゲンの検査は表示の妥当性を確認するための検査であり、検出されなかった場合や陰性の場合、アレルギーを絶対に引き起こさないという証明にはなりません。
これは、「検査の対象タンパク質量」=「アレルギーを引き起こすタンパク質量」でないことや、アレルゲンに対する感受性が人によって異なるためです。

Q6. 検体 (商品) はどのくらい必要ですか ?

A.
検体量は 1 商品につき 1 包装以上が必要です。1 包装が少量の場合は合計で 50g 以上となるようにご用意ください。

Q7. どのくらいで結果がでますか ?

A.
ELISA (2 キット)、ELISA (1 キット)、PCR は 6 営業日、イムノクロマト法は 3 営業日、ウエスタンブロット法は 10 営業日です。